イタリアの三大広場に
カンピドリオ(
ローマ)、カンポ(
シエナ)と共にこのサンマルコ広場を上げるのが普通であるが、私もそれに異論がない。
勿論、好みの問題であり、ひとそれぞれの思い入れがあるので反対を唱える方も多いと思われるが、この広場を外すことはないだろう。そんな、美しい広場が今、水没の危機に直面している。
もともと、ポー河の運んだ土砂で作られた干潟を干拓して発展した海抜0メートルの街であり、大潮と
アドリア海の風の方向で年に数回はこの広場が海水で浸されていた。私は、まだその場に出くわしたことはないが、実際見た人によるとなかなか幻想的なシーンで、観光の目玉にもなっていたという。
ところが、最近では季節を問わず頻繁に起きるようになってしまった。観光客にとっては嬉しい話であるが、そこで生活するヴェネツィア市民にとっては大問題である。
要因として、温暖化による海面の上昇、地下水の減少による地盤沈下、木杭の老朽化などが挙げられているが、起きてしまった以上手の施しようのない原因である。そこで、何年か前に、世界の英知を集めてベネツィアを救おうという会議が開かれモーゼ計画なるものが作成されたと聞いています。本来は土木屋さんの分野で、
ピサの斜塔のように工事屋ふぜいが口をだすのはさしでがましいのですが、
個人的な見解を言わせてもらえば、外の人達はあまり手をつけないで住んでる人たちの自然発生的な街直しに期待したいですね。百年先に1階の床を1m上げるようになってもいいじゃないですか。多少、景観が変わっても仕方ないじゃないですか。街や文化は数百年もかけて培ってきたものですから、それに任せるのが一番。アメリカ的な集団ヒステリー行為はきっと禍根を残すのではないかと心配しています。役所工事だけは絶対避けて欲しいと思います。
■画像は35年以上も前のもので現状とは大きく異なっている場合もあります。