
翌朝も、のんびり。ゆっくり朝食を取り、皆んな和やかに前日の自由行動について語り合っている。やっと、旅を楽しむ雰囲気が出来てきたというのに、もう終わりが近づいてきている。荷物を積み込み、アルプスの山裾を一路東へ。
ソアヴェは
スカラ家によって1369年に、
ヴェローナのヴェネチアに対する守りの砦として作られた。街全体を城壁で囲み、小高い丘の上に実戦的な城を築き、一族のものと守備兵を駐屯さした。
その後、
ヴェロナがヴェネチアの支配下に入ると、ヴェネチア貴族の領地となり、城壁が強化され、ワインの生産と共に街は発展した。城の中央にある塔の内部は筒状で、床には刃物が埋め込まれ塔の上部の穴から捕虜や罪人を突き落としたという。中世は結構残酷な時代であったようだ。

実を言うと、ソアヴェを行程に組み込んだのは、言わずと知れたイタリアで一、二を争う良質の白ワインの
産地であり、城自体にはそれほど期待していなかったのであるが、造りといい、城構えといい一見に値する。その上、保存状態も非常に良い。又、城からのワイン畑が広がる眺めは筆舌に尽くしがたい。団員の中から、『住むなら、こんな所がいい』という声が続出。

ここまできて、旅をしてない蔵出しワインを味わないで帰るなんてことは、このメンバーに許してもらえる訳がない。城から下りてきてワイナリー見学となる。城からの南斜面のぶどう畑が庭先に続いている街中のワイナリーを訪問。日本にも輸出しているという。とてもかわいいオーナーの妹さんが出てきて、説明して試飲させてくれる。ガルガネガ種を主体に作られているというワインは、ちょっと軽め。
庭の芝生のベンチに腰を下ろして、ぶどう畑の上に聳える城を見上げながら飲む酒は最高でした。日本に帰って来て、今回の旅行の中で一番良かった城という声が多かった。案内人の努力も一本のワインに太刀打ちできないようである。
そして昼食は
城門の前のぶどう棚の下で。パイプ製のテーブルと椅子。その上に大盛の田舎料理、素朴でとても美味しい。ワインも自家製で、デカンタでドーンと。ワイワイ、ガヤガヤ、大声を出してもかまわない。トイレは裏に廻って立ちション。絶対、普通のパック旅行では経験できなかっただろう(たぶん日程上、普通では行かない)。ソアヴェは本当に評判が良かった。
写真提供 ●山中和正氏 ■東伸宏氏◆中城正堯氏