カジュラホはマディヤープラデーシュ州の北端、起伏の少ない低い丘陵地にある。1000年の昔ここに栄えた、月神チャンドラの子孫と称するチャンデーラChandella王国がその最盛期(950〜1050年)に築いた寺院都市の跡である。14世紀、イスラーム教徒の支配下に入るとこれらの寺院の彫刻は、イスラームの教義に反する偶像崇拝として破壊対象となり、現在残っているのは、85あった寺院のうちの22にすぎないそうである。
カジュラホの寺院群はそのエロティックな彫刻で有名であり、ヒンドゥー寺院の外壁を埋める天女像やミトゥナ像(男女交合像)は、確かに大胆なエロティシズムを発散している。
駅前で拾ったリクシャーの青年はとても人なつこくて、炎天下、ただひたすらペダルを踏みながらインド訛の英語を流暢に話す。日本の単語を時々交えながらの案内に、適当に相槌をうちながらゆったりした気分で寺院巡りをした。ところが、最後になって料金を受け取る為に差し出した右手を見て驚かされた。5本の指の他に親指の根本からもう一本の指がヒョロヒョロと突き出ている。それを、何を恥ずかしがる様子もなくごく自然に差し出したのには正直言って「インドは何でもありの国だなあ。
」という奇妙な気分にさせられた。”for another finger”と言って1枚余計に感謝の気持ちを伝えた。(引用許可:ダイヤモンド・ビッグ社「地球の歩き方」編集室)
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