エーゲ文明が始まったのは紀元前3000年にさかのぼるという。トロヤやコリント、クノッソスなど青い海と明るい光のなかで発展した海洋文明の作り出された、美術・工芸品は人生を謳歌した人たちの息吹が伝わってくるような気がする。アテネの国立博物館にあるキロスの竪琴弾きや笛を吹く男の2品からは、その拙い制作技術にもかかわらず、日々の営みの大切さを教えてくれる。
それは、現代社会が忘れてしまった充足感かもしれない。

●絶対的な神しか認めない一神教の世界から、脱出してちょっとホッとしています。人間くさい八百万の神が出没し、悲喜こもごもな行動を繰り広げる神話の世界はどちらかといえば日本人の感覚にあっているのではないかと思ったりします。

アテネの国立博物館で見たポセイドンのブロンズ像は強く印象に残っています。アンバランスなほどに長い四肢を持ちながら、力強さが少しも損なわれていない美しさに感動されられました。ギリシア人の等身より少し大きめの神への愛情が伝わってくるような気がします。
(絵葉書美術館-22ギリシア、ローマ神話より)
●美術と工芸の境目は難しい。エーゲの壺を見ていると、美が日常生活の中から育まれてきたことに改めて気付かされる。
この美しい形から注がれたワインをかたむける時、古代の人たちは3000年後の世界をどのように描いていたか興味がつきない。
(絵葉書美術館-33工芸品より)