
絵画が物語り性から脱皮して、動物や風景をテーマとして扱うようになったのはバロックの時代に入ってからのように思われる。依頼主の裾野が教会や宮廷から広がっていったことによって、工房制度が崩れていったのが一つの原因であるように思われる。
ボッチチェルリや
ラファエロも
フィリッポ・リッピや
ペルジーノの工房で徒弟として働いて頭角を著し、やがて自分の工房を持って、パトロンの庇護のもとで絵を製作した。芸術家というより職人の世界であった。
それが、貴族や富裕市民階級のサロンに活躍の場が移り、絵が
キャンバスの上に手軽に表現できるようになって
肖像画や風景画が描かれるようになり、それが近世、近代絵画へと繋がっていった。

18世紀に活躍したベ
ロットのアルノを絵がある。描きこまれた人物や建物に多少の差そあれ、醸し出す雰囲気は今日とあまり変わっていない。ゆったりとした流れと街並を映す川面に、歴史を超えた自然の寛容さを感じてしまう。川は都市にとって必要不可欠なアイテムではないだろうか?
かつて、この川のほとりで、毎晩一升瓶(
キャンティ)片手に『俺は
アルノ川に妊娠させられてしまった!』と蛮声をあげていた彫刻家の仲間(自称:ロダンの再来さん)がいたが、ここ暫らく音沙汰がない。もう孕む若さが無くなってしまったのだろうか。研究室でくすぶっていないで、また出かけませんか?