
カインとアベルは
アダムと
イブの子で、兄カインは農業に、弟アベルは狩猟に従事していた。ある時、神への奉げ物をした際、弟の奉げた生まれたばかりの子羊が神の思し召しにかない、兄の農作物はうとまれる。これを嫉み、弟を殺害してします。(『
創世記』)
その最初の殺人者の末裔が人類であり、大きな罪を背負っているというのがキリスト教の考え方である。農耕民族のはしくれである工事屋などは「たかが貢物で差別して、その結果を後世の人類にしょわせてしまう神様が悪い」と思ってしまう。

もう一つ、
創世記には『イサクの犠牲』という話がある。
フィレンツェの洗礼堂の扉のデザイン・コンペで
ギベルティと
ブルネレスキが争ったテーマで、勝ちを譲った
ブルネレスキが建築の分野でルネサンスの扉を開いたことで有名である。神様がユダヤ人の始祖であるアブラ
ハムに最愛の息子イサクを生贄に差し出せと試した話で、結局ハッピーエンドに終わるが、全くいけ好かない神様である。
神への絶対服従こそが救いに繋がるということだろうが、過酷な自然条件の下での遊牧生活に基づいた思想と分かっていてもどうも肌にあわない。

先日のコンクラーベ(法王選挙)が行われた
システィーナ礼拝堂は1475-81年に法王シストW世が法王の廟として作ったもので、当時の一流画家全て(
ボッチチェルリ、
ペルジーノ、ピンツリッキオ、ロッセリーニ、
シニョレッリ、
ギルランダーイオ等)が集められて、
左側の壁はは
モーゼの一生、右側の壁はキリストの一生の
フレスコ画を描いた。その後、
ミケランジェロが1508-12年にかけてジュリオU世の命で天井に『
創世記』、1535-41年にはパオロV世の命で正面の『
最後の審判』の
フレスコ画を描き美しい法王の公式礼拝
堂が完成した。一番奥にあるので、たどりつく前に
ラファエロや
アンジェリコなどに圧倒されてしまっていて、この部屋に着く頃にはすっかり疲れ果てていて、じっくり鑑賞する気力が続かなくなる恐れが十分あります。中のカフェテリアで英気を取り戻してから行かれることをお薦めします。