
ジョヴァンニ(ヨハネ)には洗礼者と
福音者と二人の聖者がいる。年老いたボロ布をまとったのが洗礼者というイメージを持っていたら、
ラファエロ、
サルート、
カラヴァッジオ等によって描かれたジョヴァンニは名前のとおり、初々しい。
どこか妖しささへ感じられる。

洗礼者ジョヴァンニは
聖母マリアの従姉妹エリザベツの子で
旧約聖書では最後の
預言者とされ、
新約聖書では最初の聖者とされている。幼くして『らくだの毛ごろもを着物にし、腰に皮の帯をしめ、いなごと野苺を食べ(マタイ伝)』荒野での苦行生活をおくり、予言をはじめ、悔悟した人に洗礼を与えた。
その後、ヘロデ王とその嫂の結婚を非難して捕まり、娘の
サロメの要求で首を刎ねられる。多くの町の
司教座教会には彼の名を戴いた洗礼堂があり、洗礼を受けてカトリック教徒になる。
バルジェッロにあるサン・ジョヴァンニ像は
ブルネレスキの親友であり、彫刻の分野でのルネサンスの先鞭者と言われる
ドナテッロの作品である。下層階級出身(父親が「チョンピの乱」の首謀者の一人で死罪の判決を受けた梳き毛工)で
厳格な写実主義と表現主義は当時の
フィレンツェではなかなか受け入れられなかったが、コジモ・ディ・メディチによって見出され、多くの作品を残していて、同じバルジェロにある『
ダヴィデ像』はブロンズ彫刻の最高傑作とも言われている。