『道行きの留』と通称されるキリスト最後の日の一連の場面である。ゴルゴダ(されこうべ)の丘までの十字架の道行きに始まり、磔刑、降架、ピエタ、埋葬と移り変わる。特に、ピエタは聖書の中にその記述が見られない
のに、ヨーロッパ北部の教会で礼拝像の一形式として生まれたものだそうである。
それが美術作品の主題としてもてはやされ、
ミケランジェロは4つの『ピエタ(ヴァチカンの
サンピエトロ寺院、
フィレンツェの
アカデミア美術館、
大聖堂、
ミラノの
スフォルツェスコ城)』を手がけている。
その中で最後の作品であるロンダニーニのピエタは一度完成した作品を自分の手で削ぎ落としたものと考えられている。削ぎ落とされずに残った四肢が痛々しい。巨匠の晩年に何があったのか、興味はつきない。
前述の
ダヴィンチと違い
ミケランジェロは製作に没頭するタイプだったようである。若いころからデッサン帖を離さず持ち歩き、
システィーナ礼拝堂の壁画は最後は助手を使わずに自分一人の手で完成させたという。

あまり、人付き合いが上手ではなかった。
ロンダニーニのピエタが、今回どの解説書を見ても『未完の作品』と説明してあるだけで、完成品を壊したものであるという話は見つけることができなかった。もしかすると、工事屋の勝手な思い込みこみかもしれない。
マンテーニャの『キリストの死』という
ブレラにある作品は実にすざましい迫力を持ってせまってくる作品である。今回、是非とももう一度見たかったので、
ミラノの自由時間を潰して訪れたのであるが、ずっと見ているのが耐えられず、何度も他の作品の前に
行って英気を取り戻してから、繰り返し挑戦した。この作品は極端に短縮された遠近法を用いて描かれており、キリストの手足の傷跡の痛々しさがより強調されている気がする。