シカゴ-1 ロビー邸(フランク・ロイド・ライト)
シカゴ南部の文教地区にあるロビー邸はプレーリースタイルの傑作の一つである。水平線を強調したキャンチ・レバーの大屋根の庇が深い陰影のある水平線を作り出し、ステンド・グラスが嵌めこまれた連窓窓が重厚な雰囲気を醸し出している。この建物もライト財団が管理しており、オークパークの同じように内部まで見学できるが、ちょうど改装の真っ最中で、
床も天井もはがされ、惨澹たる見学ツアーになってしまった。あれで、見学料をとるなんて日本では考えられないことであるが、せっかく世界の各地から訪れたライトファンに少しでも便宜を図ったという感じである。確かに、建築を志している人たちにとっては、逆にむき出しの構造体を垣間見ることができたのはラッキーともいえるだろう。それが、少しでも収益を生み出し、
改装費に回せるのは良いことであると考えるのはアメリカ的合理主義かもしれない。文化財を保護していくのはお金のかかる事業であることには間違いのないことでらる。
実は、この建物は建築を学び始めた頃、課題でトレース(模倣製図)をさせられた思い出があったので愛着があるのだが、もっと広い敷地の中に悠然と建っていると思っていた。ところが、実際に行ってみると普通の街角に敷地一杯に窮屈そうに建っており、抱いていた期待が大きかっただけに、改修中の件とともに失望感を味わった。
救いは、裏の売店でライトのステンドグラスのレプリカが手に入ったことで、居間の飾り棚の上で、今もアメリカ旅行の思い出を語り続けてくれている。
(注)
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